雨にも強い伝統祭具「しめ縄」の秘密

雨にも強い伝統祭具「しめ縄」の秘密

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弊社ダイヤテックスでは、ポリエチレンやポリプロピレンなどの合成樹脂を原料として、フラットヤーン(扁平糸)製品を多く製造しています。
フラットヤーンは、合成樹脂のフィルムをスリット・延伸することで強度を増した扁平糸の総称です。

私たちの身の周りにもフラットヤーンを使った製品は、沢山あります。
代表的なものとしては、ブルーシートやレジャーシート、防草シートなどのシート類。
さらには、人工芝やフレコンバック、土のう袋、遮光ネット、当社の主力製品である手で切れるクロステープなど多岐にわたります。

そんなフラットヤーンですが、実は意外なところにも使われている一例をご紹介します。

天然繊維から合成繊維へ変化している「しめ縄」

私たちの暮らしに欠かせない正月行事。
その象徴の一つである「しめ縄」は、神様を迎える清浄な場所を示す結界の役割を果たしてきました。しかし、近年、この伝統的な祭具の素材に大きな変化が起きています。それは古来より使われてきた天然繊維から、耐久性に優れた合成繊維への移行です。

合成繊維製のしめ縄が増えている理由・メリット
耐久性:天然繊維よりも雨風に強く、長期間屋外に飾っても劣化しにくく、交換頻度が少ない
安定性:季節や天候、収穫量に左右されることなく、均一な品質の製品を生産できる
品 質:天然繊維に比べ、保管や展示の際にカビや虫の発生を防げる

フラットヤーン(合成繊維)製のしめ縄ができるまで

富山県射水市でしめ縄づくりをされている縄合屋(なわわせや)さんを訪問し、作業工程を見学させて頂きました。

最初の工程は、延伸した強度の高いフラットヤーンを複数本より合わせて、強度の高い縄を作ります。

さらに複数の縄を重ね纏めて、縛りながらより太い縄を作っていきます。
「しめ縄」は、完成までの工程のほとんどの作業が手作業で行われています。

房も同じ、ポリエチレンやポリプロピレン製のフラットヤーンでできてます。

太い3本の縄を7人がかりで、タイミングを合わせ数センチずつゆっくり丁寧に巻いていきます。

完成したしめ縄は、とても迫力があります。

伝統と実用の間で


耐久性や耐候性に優れた素材を使うことで、しめ縄をより多くの場所、より長い期間飾ることが可能になります。天然繊維から合成繊維に素材が変化することで、日本の伝統文化を守り続けることができ、これからも彩り続けるでしょう。

鳥居・しめ柱・拝殿・神木・ほこら・狛犬など様々な場所にしめ縄が飾られています。
神社に参拝した際には、ぜひしめ縄に注目してみてください。

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